【世界一周#113】夏の夜

次の街へ移動するための電車のチケットは3日前に予約したにもかかわらず、最寄りから遠く離れた駅からしか取ることができなかった。

その駅までどうやって行くのか全く分からなかったので、早めに宿を出て向かうことにした。

とりあえずバスターミナルだろうと思い、路線バスで向かってカウンターで聞いてみると、ここからはその駅までのバスが出ていないとのこと。落ち込んでいると、カウンターの方が駅までの行き方を教えてくれた。

なんと、ターミナル前から出ている路線バスで直通とのこと。結果オーライ。

無事に駅に着いたはいいが、思ったよりかなり早く着いてしまったので、出発まで5時間もある。

とりあえずチケットを受け取りにチケットカウンターへ向かった。いつものように長すぎる行列だったが、なぜかスムーズに進み、これまた予定より早く自分の番が来た。

ダメ元でもっと早い時間が空いていないか聞いたら、やはり空いていないとのこと。困ったなー、待つの嫌だなー、と唸っていたその瞬間、キャンセルが出て3時間後の電車のチケットを確保してもらうことができた。唸ってよかった。ラッキー。

駅ナカでご飯を食べる。インドでもそうだったが、駅ナカのご飯は少し高いけど安定感があるので好きだ。店頭の写真にあった牛肉麺を頼み、席に座る。今日はうだるような暑さだ。

店内には巨大送風機がある。その真ん前に座ったが、あまりに強風なので、風が背中をかすめるくらいの席に座りなおした。

しばらくすると、牛ホルモンと例の牛肉団子が乗ったラーメンが来た。この辺のラーメンは米の麺ではないから好きだ。昆明や桂林らへんは米の麺ばかりだったのでウンザリしていた。僕は米の麺を食べるくらいなら米を食べたいからだ。ズルズル。

食べ終わってもしばらく店内で涼んでいた。送風機以外には冷房設備などなく、ドアも窓も開け放たれているが、熱いものを食べて汗をかいているので十分涼しい。

「チーワンリーマー?」

確かそんなかんじのことを言われた。たぶんお皿下げますね的なことを言ってるんだと察してオッケーオッケーイエスイエスと答えた。これでオッケーだろう。

まだまだ時間があるが、これ以上店内に居座るのも気が引けたので、お菓子とパンとチョコを買って駅に入った。

荷物検査でナイフが引っかかったが、見せびらかしたらオッケーと言われた。これでオッケー。

(麦わらの~帽子の君が揺れたマリーゴールドに似てる~♪)

今日の脳内BGM、そう、あいみょんのマリーゴールドだ。どこか懐かしい、皆共通で持つ「あの頃の恋」という謎の概念に心揺さぶられている。

目を閉じ、溶けたスニッカーズをかじる。甘いピーナッツにほっぺたが落ちてバウンドして戻ってきそうなくらいおいしい。いや、おいちい。

そういやあの頃の恋とかなんとなく高校時代を思い浮かべていたけど、もう卒業してから10年も経っているのか。恐ろしいな。みんな老けてるんだろうな。

あいみょんに心を弄ばれている間に電車がやってきた。そしてトンネルを何個か抜けて、やってきたのは厦門(アモイ)。海のシルクロードの出発点。現在は経済特区、そしてビーチリゾートとして栄えているそうな。

着いたのは夕方。ミンミンとセミがうるさい。夏虫も鳴いているがなんか日本のと音が違う。ただ、それでも日本の夏と気候が似ている。夏の夜はワクワクする。

宿は相当な田舎っぽいところにあった。なんか久しぶりに土を踏んだ気がする。宿の人にご飯が食べられる場所を聞き、また未舗装の道を歩く。

しばらく歩くと、ラーメン屋さんがあった。具は自分で選べるらしいが、高くなったら嫌なので、20元くらいで見繕ってくださいと伝えて、店長と一緒に具を選んだ。

港町なだけあって、小ぶりながら牡蠣がある。牡蠣が食べたいと言ったらドッサリ取ってくれたが、20元というのが伝わっているのか心配になった。

鍋で具を煮ている間、店長さんが写真を見せてくれた。どうやら夫婦で東京ディズニーランドへ行ったらしい。そして、前に店に来た日本人からもらったであろうメッセージをニコニコしながら見せてくれた。お互い全く言葉が通じないが、日本人に対してとても好意的な感情を持ってくださっているようだ。こういうのは本当に嬉しい。

そして数分後、激熱の塩ラーメンがやってきた。中華料理の幅は本当に広い。店長オススメの具が盛りだくさん。野菜も良い加減に火が通って甘くておいしい。牡蠣は更に小さくなったが、味はしっかり牡蠣だ。僕は広島寄りの岡山生まれヒップホップ育ちなので牡蠣は大好き。

ズルズルすすると海外ではマナー違反らしいので静かに食べるが、熱いから難しい。すると後ろの席から豪快なズルズル音が。おじさんがズルズルクチャクチャやっているので、僕もズルズルやってやった。やっぱ麺はこうでないと。

汗を吹き出しながら店長にお礼を言った。店長は「サンキュー、謝謝」と言ってくれた。ふと気付いたが、謝謝の発音が今まで行った場所と少し違う気がする。これが方言なんだろうか。

止まらない汗。少しジメジメしているところまで日本の夏と似ている。道路脇の芝生では奥様が座り込んで井戸端会議をしている。明かりも少ないのに、中国が安全な証拠だな。

僕もコーラを買い、岩に腰掛けた。夏の夜の匂いがする。あいみょんから、夏虫の音色(鈴虫は欠席)をBGMに変えて、しばらくコーラと一緒に涼むことにした。

I moved from Shantou to Xiamen today. I didn’t know that how to go to the railway station. At first, I went to bus terminal and asked a staff about a bus ticket to go to the station. She said we have no ticket to go there but you can go there by local bus. You can get in it in front of this bus terminal. I just got on the local bus and arrived in the station soon. I had too long waiting time. I had enough time even though I changed my train so I had lunch in the station. I imaged a Japanese song in my brain and just waited the train. Finally, I arrived in Xiamen in the evening. It’s like summer in this town. Breeze is nice.

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せんまさお

せんまさお

シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。

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シャイな僕が世界一周の旅へ。諸事情により緊急でお金が必要だったので一部上場企業のキーエンスへ就職。27歳で退職し、夢だった世界一周をすることに。やりたいことを全部やっている最中です。まずは死なずに帰ってきます。皆が憧れる世界一周だと思いますが、良いところも悪いところも全てそのままお伝えして、一緒に旅している感覚になっていただければ嬉しいです。座右の銘はPLUS ULTRA。「もっと向こうへ」という意味です。好奇心の赴くままにもっと向こうへ行ってきます。好きなコーラはコカ・コーラ。スカッとさわやかコカ・コーラ。LOVE&PEACE。